大工 ペンキ 小規模リフォーム 植木 ウッドデッキなど 修理全般 住まいの便利屋 茅ヶ崎 藤沢 鎌倉 平塚 大磯 寒川

小さな大工のエボシ 大工 塗装 ウッドデッキ 植木 便利屋など修理全般 

ブログ

小さな大工のひとりごと

投稿日:

 

タウンニュース茅ヶ崎版に掲載しているコラムを集めました。

毎月、3週目くらいに載せています。

 

コロナ

 

この騒ぎで仕事がない。

いつものお客さんに顔をだすこともできない。

仕方ないから寝転がっていると電話があった。

いつものおばあちゃん。

「大丈夫か」

「仕事はあるのか」

「元気なのか」。

耳が遠いから大声で「元気ですよ。頑張っていますよ」と張り叫びながら涙がでてきた。

この人は自分の前に相手を心配している。

まず相手を思いやる。

日本人だ。

元気ですかとか、どうしていますかとか大声で怒鳴った。

会話にはならなかったけれど、この人の温かさは全部私には伝わった。

心ない失礼な依頼もたまにあり辛いときもある。

リフォームや工務店が嫌がる小さな仕事を儲からねえけど二十二年一生懸命やってきた。

そういうのちゃんとわかってくれている。

「コロナでも必要だから仕事はやっていますよ」

聞こえただろうか。

 

葉山

 

葉山に引っ越したお客さんからの電話だった。

古民家のような平屋を買って、ゆっくり暮らそうと葉山へ行ったご夫婦だ。

あっちこっち傷んでいるからなおして欲しいという。

「遠くで申し訳ないんだけど」

そういうのって商売をやっているとほんとにうれしい。

少し話をしていると旦那さんは体調がおもわしくなく入院しているという。

「パパがどうしてもあなたにやってもらえってきかないのよ」

泣きそうになる。

「来てもらえる?」

「もちろんです」

材料を積み込んで海沿いをポンコツを走らせる。

お世話になったさまざまを思いながら走った。

人として向き合ってくれた。

私のことを心配してくれた。

大丈夫、きっと元気になる。

早く終わったらお見舞いに行かせてもらおう。

海が朝日を照り返す。

 

 

廊下の床がぶかぶかすると言うことだった。

リフォーム屋さんに聞いたら全部張り替えなければいけないと言われたという。

そんな必要はない。

私は上から張ることを提案した。

仕事をしていると暮らしの音がした。

茶碗の音。水を使う音。テレビの音。夫婦の会話。

床を直しながら涙がでそうになった。

ぶかぶかになった床は、家族の歴史だ。

仕事に行ったり、学校に行ったり。疲れて帰ってきたり。

家族が一生懸命生きてきた証しだろう。

子供たちはここから巣立ち、孫を連れて帰ってくるのだろう。

二人だけになった今、ぎしっとさみしい音がしただろう。

そんなことを思いながらしていると、玄翁で指を叩いちゃった。

絆創膏をとりに車に戻る。

早咲きの梅が咲いていた。

茅ヶ崎の春はもうすぐだ。

 

お正月

 

仕事が終わると、お客さんが持って行けとみかんをくれた。

食べきれないのでいつものおばあちゃんに持っていくと、おせちをごちそうになり、入れ歯だからと帰りにお煎餅をくれた。

せっかくだからとそのお煎餅を近所のおばあちゃんに持っていくと、あがれあがれとお茶をだしてくれた。

その人はお煎餅をお茶につけてふにゃふにゃにしておいしそうに食べた。

そして帰りにお餅を持たせてくれた。

そういえば、みかんのおばあちゃんが今年はまだお餅を食べていないと言っていたのを思いだしまた戻る。

またぞろ、食べて行けとストーブで焼いたやつをいっしょにぱくつく。

おばあちゃんはお餅を喉につっかえそうになって、大きく咳をして、入れ歯ごとぶっ飛んだ餅はふすまにへばりついた。

二人で大口を開けて笑う。

お腹は苦しかったけれど、胸の中はぽかぽかと温かかった。

 

アマゾンで電子書籍になりました。

ありがとうございます。

-ブログ

Copyright© 小さな大工のエボシ 大工 塗装 ウッドデッキ 植木 便利屋など修理全般  , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.