畳がぶかぶかするというご相談の電話でした。
藤沢の工務店に相談したら、おおごとになるとのことで困っていました。
で、下見に。。。
辻堂には古くからのお客さんも多いので、道はなれています。
それでも久しぶりだったので、町並みが変わっていました。
昔ながらの家がなくなって、今風の家が密集して建てられていました。
茅ヶ崎も同じですけど、庭もなく、風情というかなんとなくさみしいですね。
畳がぶかぶか
ご年配のご夫婦。
なるほど、畳がぶかぶかしています。
畳が古くなったからなのか、床板なのか、一般の方にはわかりづらいんです。
畳が原因なら、床板ではなく畳を変えなければならない。
今回の場合は、床板が原因でした。
畳を外して見ると、やはり床板がぶかぶかしていました。
それでも、それは一部分のことで、根太はしっかりしています。
だから、そこの部分だけ修繕すれば大丈夫と伝え、「大きな工事にならなくてよかったわ。お願いね」ということで、見積もりして、別の日、作業をすることに。。。
和室の床板の修理
畳を外すと、床板があります。
それが古くなって、ぶかぶかしちゃいます。
それでも根太は大丈夫だから、根太と根太の間の板がぶかぶかするんです。
まず古い床板を外すと根太(骨組み)がでてきます。
こんな感じ。
いい機会だから、床下を除いて、束(づか)や大引きという骨組みの様子を調べました。
築40年とは思えないほどしっかりしていました。
その頃の大工さんの仕事はしっかりしていますね。
お茶をだしてくれたので一服。
世間話やいろんな話をしました。
建ててくれた大工さんは、もう昔に引退してしまった。
それでも、最近はいろんな業者がいるから、安易に頼めないから困っていた。。。
だいたい、大がかりな工事になってしまうので、どこに頼んでいいかわからなかったとのこと。。
小さい仕事でもやりますと伝えました。
小さいというより、必要なことだけをしようとしているだけなんですけどね。。。
仕事を再開。
コンパネという板を貼り合わせます。
ちょっとみづらいけれど。。
全部張り替えずに、今回は畳2枚ぶんだけの修繕で対応しました。
他のところはまだまだしっかりしていました。
写真取り忘れちゃったけれど、畳を戻して完成。。。
床下も心配ないこと、これで当分大丈夫なことを伝えました。
「ありがとう」という、私が最も元気がでる言葉をかけていただきました。
あんまし儲かんなくても、元気で、感謝される仕事をして、普通に生きていることに、感謝しながら、帰りました。
コラム せんべい
私はその日さる業者さんの依頼を断った。
いくら稼げる仕事でもお金の為だけに仕事はしたくない。
いつものおばあちゃんの見積りのためにポンコツを走らせる。
行ってみると畳がぶかぶかするのでやってほしいという。
このへんはいいんだけど、あっちかしがだめだと
杖代わりの松の枝を振る。
小さな仕事で悪いけんどと私の肩を叩く。
お茶でも飲んで行けと座らされる。
私が以前おいしいといった固い煎餅がでてきた。
おばあちゃんは入れ歯だ。
お茶につけてふにゃふにゃにして食べている。
私の為に買っておいてくれたのだろう。
胸の奥に小さなあかりが灯った。
がりりとかじる。虫歯がずきずきした。