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古い木造住宅の小さな修理あれこれ 茅ケ崎

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古いお客さんから紹介のお客さんのお仕事でした。

5年ぶりくらいだったから、近辺の景色は一変していて驚きました。

隣りにあった平屋の昔ながらの住まいは、今風の住宅が4棟建てられています。

その向かいは新しいアパートに。

少し前まで、ひとり暮らしのおばあちゃんが住んでいたんです。

その方のところへは、なんどかお仕事をさせてもらったことがあります。

梅の木も白木蓮も、金木犀もなくなっていました。

 

大がかりなリフォームではなく、修理でなんとかする

 

聞けば、あちこち傷んだので新聞に入っていたリフォーム屋さんのチラシを見て見積もりを頼んだら、あれこれ直すところがどんどん増えて、総額100万円を超えてしまうといわれたとのこと。

築50年。

そして年配のご夫婦。

大げさにする必要はありません。

 

木製玄関ドアの不具合

 

まずは玄関。

蝶番が古いので、ドアが下がってしまい、下がぶつかり強く閉めないと閉まらない状態です。

ドア全体をリフォームした方がいいと言われたそうだけど、まだまだ使えます。

作業工程は写真に撮らなかったけれど、ドアの下をかんなで削り、緩んでいたドアノブと鍵を調整して油をくれました。

蝶番の芯が曲がっていたので叩いて直しました。

これですんなり閉められるようになりました。

まだまだ当分大丈夫です。

 

 

ドアノブの修理

 

室内のドアもドアごと交換と言われたとのこと。

充分閉まるし、そんな必要はありません。

ドアノブが外れそうになっていたのを調整しました。

ドアノブは交換しないとならない場合が多いですが、真鍮の、貴重なドアノブだったのでなんとか直しました。

 

 

サッシの鍵の修理

 

サッシの鍵がとれちゃっていました。

サッシも窓ごとすべて作り替える必要があるとのことでした。

なんとか開閉できるし、窓枠からすべて作り替えたら料金も大変です。

だから鍵をまず直しました。

 

汎用型といって、リフォーム用のサッシ用の鍵があるんです。

(取りつけできない窓もあります)

昔の不二サッシというメーカーのものは、写真のように穴が2カ所開いています。

そこをよけて、ドリルネジというので取りつけます。

 

 

 

閉めるとき、少しだけ固いですが、10年とか充分使えます。

 

雨戸の張り替え 窓枠の修理と塗装

 

 

雨戸は木製だったので、ベニヤを張り替え塗装しました。

木枠もがたつきを直し、塗装で対応。

 

障子の桟の修理

 

 

修理というほどではありませんが、桟の一部が外れていたので、あまり木を削り、とりつけました。

写真は少し見づらいですが。。。

 

ありがとうの言葉

 

作業が終わり、お茶を入れていただきました。

旦那さんは「さすがだな。 ほんとのプロだな」と褒めてくれました。

奥さんは、「助かったわ。 ありがとう ありがとう」と喜んでくれました。

 

私にとって、至福のひとときです。

人に喜ばれること。

誰かが喜んでいること。

そのことで温かい気持ちになること。

仕事をさせていただいて、感謝していただく。

 

だから、22年続けてこれたのだと思います。

正直なところ、いろいろな方がいました。

ほとんどの方はステキな方ですが、社会はいろいろな人がいますから、最低限の礼儀のない方ややたら安くしろとか失礼な物言いをされたこともありました。

私も大工としてプライドがあります。

ずいぶん悩み、何度もやめようとしましたが、ありがとうの言葉とステキなお客様に恵まれてなんとかやってこれました。

 

向かいのおばあちゃんのことを聞くと、去年施設に入ったとのことでした。

濡れ縁でお茶を飲んでいるとき、笑って入れ歯が落ちそうになったこと、ツバメが飛んでいたことなどを、懐かしく話しました。

またお願いねと言っていただき、煎餅をお土産にいただき帰りました。

風は、磯の香りがしました。

いつの間にか、この5月で23年目に入ります。

 

コラム 住まいの修理

 

久しぶりのお客さんから見積もりを頼まれた。

一年ぶりのおばあちゃんは、腰がくの字に曲がっていた。

頭にも白いものが増えたようだ。

それでもくしゃくしゃでニコニコの笑顔は変わらない。

入れ歯を新しくしたことを一生懸命に語る。

相変わらず明るい。とにかく仕事だ。

聞くとセールスの人が来て、大がかりに直さないといけないと言われたという。

「年金だからねえ」と下を向く。

私はいろいろ見て回った。

 すべて修理でなんとかなる。

「補修で直りますよ」というと、おばあちゃんはうれしそうに手を振った。

大きな声で何かを言おうとすると、まだなじんでない入れ歯が落ちそうになった。

二人で声を上げて笑う。今度はしっかり口元を手で抑えていた。

いわし雲が静かに動いていた。茅ヶ崎の秋はもうすぐだ。

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