ウッドデッキ

ぬれ縁(縁台)を作る 塗装 修理も対応しています 茅ヶ崎

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ぬれ縁を作ってほしいとの依頼でした。

長いおつきあいではないけれど、最近よく頼んでくれるご年配のご夫婦です。

行ってみると、あらら、こんな具合。。。

 

 

「たまに孫がくるから」

見積をして、数日後、仕事に入りました。

 

古いぬれ縁を解体する

 

材料を積み込んで向かいました。

暖かくなってきて、茅ヶ崎の桜道には桜が吹雪いていました。

その先に富士山がよく見えます。

 

 

ほとんど崩れてしまっています。

それでも30年以上使っていたそうですから、よく頑張ってくれました。

とにかく解体していきます。

ぶっとい五寸釘。

細かいところまで丁寧に作られていました。

さすが、昔の職人は丁寧です。

 

 

なくなるとこんな感じ。

 

 

材料の切り出し

 

材料を切りだします。

木材は2×4材。

特別な材木ではないけれど、きちんと塗装をすれば長持ちします。

檜やウエスタン・レッドシダーなど、腐らない木材は値段が高い。

 

 

塗装

 

ここが私のこだわりというか、プロとしての意地です。

切りだした材木を、まずはすべて塗装します。

多くの現場を見てきて、作ってから塗装してあるぬれ縁をたくさん見てきました。

それだと、土台は塗れないんです。

確かに表面はきれいだけれど、年数がたつと土台が傷んできちゃいます。

これはウッドデッキについてもいえることですが。。。

 

土台は一度作ればもう塗ることはできないのだから、土台こそしっかりと塗装をして、防水性を向上させるべきなんです。

 

 

暮らしの音

 

 

お茶を入れてくれたので、乾かすあいだに一服。

 

 

90代のご夫婦。。。

お茶を飲んでいると、話し声がかすかに聞こえてきました。

ぽつんぽつんと話をしています。

テーブルに向かい合わせで座り、お茶を飲んでいました。

 

穏やかな空気が流れていました。

旦那さんがひとつ何か言うと、奥さんがそれに合いの手を入れる。

奥さんが何か言うと、旦那さんが頷いたり、ああとか、そうかとか返事をする。

そしてしばらく何も言わない。

その間が、なんともいえない温かさがありました。

時間の流れがゆったりしていました。

 

饅頭を食いながら、いろんなことを想像しました。

 

子供さんが小さいときは、食卓は賑やかだったのだろう。

大きくなり、巣立ち、ふたりになってから、向かい合わせでご飯を食べているのだろう。

荷や苦や、いろんなものをふたりで受け止めて年を重ねてきたのだろう。

きっとふたりで、そんな時間を積み重ねてきたのだろう。

暮らしの静もり。。。

積み重なった時間。。。

お互いがお互いを察して、思いやる、愛。。。

人の温もり、重さを感じました。

 

そんなことを感じました。

 

奥さんが台所に立って、水を使いました。

茶碗のあたる音。

テレビの音。

歩くと軋む床。

 

なんかいいな、と胸がほっこりしました。

 

そんなことを思っていたら、時間がすぎちゃって、いけねえと仕事に戻りました。

 

ぬれ縁 造作

 

ピンゴロというコンクリートで土台を作ります。

写真撮るの忘れたのでありません。。。

 

壁に土台となる板を取りつけます。

これをしっかり固定させないと。。。

コーキングと太いビスでがっちりさせます。

 

 

土台を組み、ぬれ縁を組んでいきます。

途中までの写真。

作業していると夢中になるので、つい写真をわすれてしまう。。。

 

 

組んでから、もう一度塗装できる部分を塗っていきます。

で、完成。。。

 

 

 

きれいにできました。

ちなみに、塗料はウレタンという防水性の高い塗料を使っています。

 

ありがとうのひとこと

 

ご夫婦はとても喜んでくれました。

「20年くらい持ちますよ」

「あと何年も生きられないわよ」

何も言えなかった。。。

 

それでも、

「孫がきても大丈夫だわ」

「座布団を干せるし」

「きれいになってうれしい、うれしい」

そして、ありがとうを繰り返してくれました。

 

その一言で、いつも疲れが吹き飛びます。

その言葉は、私の気持ちを推し量って使ってくれた言葉です。

だから、温かい。。。

 

新聞やニュースはぎすぎすする事件ばかりだけど。

人情が少なくなった時代かもしれないけれど。

 

だけど、そんなことばかりじゃないと思いたい。

思いやり(愛)は共有され、共鳴し、延長していくのだろうと思います。

 

お代をいただき、帰途につきました。

仕事冥利です。

お仕事をさせてもらい、いろんなことを学ばせてもらえる。

やたらいくらだとか、気持ちがざらざらする依頼は、もう20年超えたころから断るようにしています。

おばあちゃんの困った、古いお住いのなんとかしてという依頼には、親身に、人として一生懸命向き合います。

だから、業者の下請け仕事はやっていません。

困ったに真剣に対応することが私の仕事なので、金儲けでしているわけではありません。

お天道さまが与えてくれた仕事をやっているだけで、こころはとても平安です。

ここのご夫婦は、そういうことをすべて乗り越えて、いろんなことを呑み込んで生きる。

すごいなあ。。。

 

花びらが車の窓から入ってきました。

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