今日は茅ヶ崎のいつものお客さんの紹介で横浜まで行ってきました。
貝塚をばっさり切ってほしいとのこと。
ブロック塀に沿って植えられていて、結構伸びています。
「自分じゃできないし、道路だから人に迷惑かけるから」。
近くの植木屋さんに聞いてみたら、1本2万円くらいかかるとのこと。
そんなにはかかりません。。。
で、さっそく仕事。。。
塩で清める
確かに生垣として目隠しになりますが、大きな木は塀に近いと根っこが塀を虐めちゃいます。
伐採の前にすることがあります。
お塩を撒いて、手を合わせます。
ほんとはお酒もかけるんだけど、忘れちゃいました。
大きな木を切るときはそうします。
命だから。
一生懸命生きてきたのだから。
チェーンソーと鋏とノコと腕
大きな木はチェーンソーという機械で切ります。
大小あると便利。
それから植木用のノコギリと太い枝も切れる鋏。
それと腕ですね^^。
まず廻りの枝をノコや鋏で落としていきます。
こうすると後の作業が楽。
切っていると、木の香りがします。
少しかわいそうな気持ちにもなります。
切り口から樹液がでてきて、生きているんだなあと思いました。
ノコは力で切るんじゃなくて、摩擦で切ります。
だからどんどん切れますが、さすがに暑くて、汗びっしょりになりました。
アリがとことこ木に登っていました。
写真はちょっと見づらいですが伸びた枝を切り、太枝だけにしたところ。
ここまでで一服。
縁側でお茶をいただきました。
自利利他
シャツを着替えて、頭に巻いたタオルで顔をぬぐうと、泥がついていて歌舞伎役者のようになり、おばあちゃんと二人で笑いました。
濡れたタオルを持ってきてくれて、「拭きなさい」。
「汚れるからいいです」
「いいからいいから」
お言葉にあまえて顔をごしごしやり、首回りも拭くとタオルは泥だらけになっちゃいました。
ひんやりとして気持ちよく、心がしゃんと立ちました。
冷たい水で濡らしてくれたのだと思うと、温かい気持ちになりました。
肩が少し疲れたのでぐるぐる回すとぽきぽき音がしました。
「大変ねえ」
「暑い時に悪いわねえ」
「小さな仕事でごめんね」
と繰り返してくれました。
こんなとき、疲れがすっと抜けていきます。
今、建設業や飲食業、運送業などはなかなか若い人は集まらないと聞きます。
とかく、きれいな仕事、楽な仕事を選ぼうとするのかもしれません。
だけど仕事って、自利利他で、自分のための前に相手に何ができるかなのではないかと感じます。
感謝される悦びやお客さんとの触れ合いのなかで、人としてスピリットが愛を思いだしていくのではないでしょうか。
私は儲けるためならこんな仕事はしていません。
喜ばれ感謝される仕事として、この仕事を選びました。
ぐーんと両腕をそらにつきだして背伸びをしたら、背骨がぼきっとなりました。
幹の伐採
チェーンソーで幹を小分けにしながら切っていきます。
山の中ではないので、倒れるぞーみたいにいきなり下から切りません。
年輪をしばらく見ていました。
けっこう軽トラックにいっぱいになりました。
ありがとうと繰り返してくださり、車の中でと冷たいペットボトルを渡してくれました。
蒸し暑かったけれど、ここは高台なので風がやや秋めいていました。
夜、茅ヶ崎の紹介していただいたお客さんから電話があり、お友達がとっても喜んでいたとわざわざ電話してきてくれました。
電話を切ると、コオロギの声がしていました。
貝塚の剪定方法と時期
貝塚は正式にはカイズカイブキといいます。
貝塚は強い木なので放っておくとどんどん伸びてきます。
貝塚の剪定時期はこだわると春ごろがいいと思いますが、強い木なのでよほど思いきり剪定(強剪定)しなければ、剪定時期はあまり気にする必要はありません。
それに貝塚は伸びが早いので、自分でする場合はこまめに選定するのがいいです。
貝塚は、まず横から刈り込んでいきます。
そのときに、葉を残すようにします。
どういうことかというと、貝塚は伸びると奥の葉は太陽が当たらず枯れてきます。
葉のなくなった枝のようなじょうたいになって、そこから切ると葉がなくなってしまいその部分は枯れてしまいます。
それを考えながら横幅を予想して刈り込みます。
形にもよりますが、丸型か、火のような形が多いですね。
それから上を刈り込みます。
形を意識しながら、横とのバランスを考えて刈り込んでいきます。
*強剪定といって、思いきり刈り込むと貝塚は先祖帰りを起こして、固い杉の葉のようなとげ上の葉が生えてきます。
こうなると、そもそもの貝塚のようなほんわりした葉には戻りませんから、その部分は落とすようにします。
貝塚はしなやかな感じが風合いですから。