植木剪定

植木の伐採 茅ケ崎の庭仕事 琵琶の思いで

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ひさしぶりのおばあちゃんは、腰が少し曲がっていました。

私の両腕をさするようにして、「元気だったか?」。

その手の平がとてもあったかい。。。

息子のように思ってくれているのでしょうか。

 

で、庭をさっぱりさせたいということでした。

「私ももうすぐ、お迎えがくるから…」

 

塩と酒でお清め

 

植木をばっさり切っちゃうときは、大切なやることがあります。

お清めです。

生き物ですから。

木の精霊が宿っていますから。

 

その日は持ってくるのを忘れちゃったので、おばあちゃんにもらいました。

「大切なことよね」と、わかってくれました。

 

 

塩を根元にまき、幹に酒をかけて、ふたりで手を合わせます。

幹に手の平をあてて、感触や樹液が流れる様子を感じようと、目をつむりました。

 

ネイティブ・アメリカンやアボリジニ、そして縄文の人たちは自然とともに暮らしていましたから、獲物を捕るときも儀式をして(命に対する礼儀)、感謝して残さず食べたり、使ったりしたといいます。

それと同じです。

あたりまえのことを、あたりまえにするだけです。

 

植木の伐採

 

毎年、私に頼んでくれて剪定をしていたので、なんだかさみしい。

 

 

 

写真ではわかりづらいけど、金木犀や琵琶の木、梅などがありました。

それから小さいけれど、つげやつつじもありました。

 

小さなものは根っこから掘り起こします。

大きなものは上から少しずつ切っていきます。

根っこを土からはがすようにするとき、めりめりと音がします。

のこぎりで切るとき、ぎいぎいと鳴ります。

なんだか、木が悲鳴をあげているようで。。。

 

 

 

軽トラックいっぱいになって、ともかくさっぱりしました。

 

目隠しに波板をはる

 

目隠しにしたいから、フェンスを交換したいということでしたが、私は反対しました。

「お金がかかるし、もったいないよ」

言わなかったけれど、94才。

あと何年…と自分でも言っているのですから。

「波板を張れば大丈夫ですよ」

 

ということで、こんな感じに。

 

 

 

 

これで十分ですね。

きれいだ、きれいだと喜んでくれました。

ちょっとの工夫でなんとかなるもんです。

人生もいっしょかな。。。

 

琵琶の思いで

 

終わって、ふたりでお茶を飲みました。

12月だったけど、それなりに温かかったから外で飲みました。

さっぱりした庭を眺めながら。

庭にあった昔のビールケースをひっくり返してテーブルにしました。

 

琵琶をいただいた思いで話をして、懐かしみました。

 

7月くらいになると、いつも電話がかかってきます。

「琵琶、とりにきて!」

鳥が食べちゃう前に、収穫します。

「せっかく実ったんだから、食べてあげないと供養にならないわ」

 

そして自分は5個くらいあればいいからと、私に全部くれます。

段ボール2つくらいになりました。

私は、古いお客さんに配って廻ったものでした。

 

もうずいぶん減ってしまったけれど、20年来の、お世話になったお客さん、ほとんど一人暮らしのおばあちゃん。

情があって思いやりがあって、ちょうど母親くらいの年恰好で、なんども行けば、こっちだって情が移ります。

そういう人たちに片っ端から配っていました。

そうすると、あがれあがれとお茶とせんべいと饅頭でもてなされ、お新香や梅干を持たせてくれたりして。

 

そんなことを、ふたりで話してしみじみしました。

 

配って数日すると、また電話がかかってきます。

琵琶を配ったおばあちゃん。

「ジャムを作ったから、とりにきて!」

行ってみると、瓶詰めで2つ、用意していてくれました。

前の年、もらったとき、琵琶のおばあちゃんに持って行ったのを知っているから、その年は2つに分けてくれたんです。

「これは琵琶をくれた人、これはあんたのぶんね」

少し涙目になりながら、ジャムを届けます。

あらまあと、おばあちゃんは感激して、なんだか流しのあたりをごそごそやって、田舎から送ってきたというお餅を持たせてくれました。

それもやはり、ジャムの人のと私のと新聞紙で2つにくるんでくれました。

それをまたこのおばあちゃんに届けると、あがって食べていけとストーブで焼いて食べました。

 

そんなことを話していると、日がかげってきて、寒くなったので帰路につきました。

夕焼けが茅ケ崎の街を包んでいました。

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