木製玄関ドアの塗装のお仕事でした。
木部は風雨で傷みやすいので、早めに塗装をすることが住まいを長持ちさせるコツのひとつです。
とくに湘南は潮風でやられます。
この日は平塚のお客さん。
海沿いの136号線を、エボシ岩を左に見て、湘南大橋を渡ると平塚です。
丹沢の山の輪郭が正面に見えて、その上に富士山がまだ白く、くっきり見えました。
少し春めいてきて、窓を少し開けると磯の香りがしました。
木部の塗装は早めがおすすめ
ちょっとみづらいですが、部分的に塗装が剥げかかっています。
こんな感じ。
蝶番のきわも。
こういうところを放っておくと、木が傷み、柔らかくなって劣化してきます。
塗装はきれいにする「お化粧」の意味と、膜を張り劣化を抑える「防水」の二つの目的があります。
人間の体と同じで早めのケアが必要ですね^^。
塗装は養生とケレンが大切です
まずは「ケレン」といって、剥がれかけた部分、浮いている部分の塗装をカワスキ(ヘラのようなもの)やヤスリなどで落としていきます。
これをちゃんとしないと浮いた部分が後で剥がれてきちゃいます。
かといって、あまりごしごしやると傷がついちゃいますから、程度が大切。。。
きれいにこそげ落としたら、養生テープやシートなどで「養生」をします。
こんな感じ。
養生を丁寧にすることがきれいに塗装するのに大切です。
ケレンは、長持ちするように塗装するため、養生は、きれいに塗装するための作業です。
塗装は二度塗りが基本
ケレンと養生を経て、ようやく塗っていきます。
私は木部の塗装の場合は、ウレタンという防水性の高い塗料を使います。
そして二度塗りです。
二度塗りするのは、もちろん長持ちさせるためでもあり、きれいに仕上げるためでもあります。
前の塗料との相性や経年劣化で、食いつきが悪いというときがあります。
これは塗装がはじいてしまって、ムラがでてしまうということです。
それから、木部の剥げた部分は、へこんでいて、一度塗っただけでは塗料がしみ込んでしまい段差がでちゃいます。
それらのためにも二度塗りします。
玄関ドアは柔らかめの茶色。
格子やランマのドア廻りはこげ茶色。
外側を濃い色にするのが基本で、しっくりと落ち着きます。
一度目を塗り、乾かすまで、雨戸のかぎが調子が悪いということなので調整しました。
「お茶にしてください」と一服。
玄関のかまちでお茶を頂いていると、茶の間からご夫婦の話し声や茶わんの音や、スリッパの音が聞こえていました。
以前は子供さんたちがいてきっと賑やかで、今は巣立ち、ご夫婦の二人暮らし。
何気ない生活の音が、小さく、そして少しさみし気に聞こえていました。
乾き具合を確かめて、仕上げの上塗り。
今の塗料は速乾性が高いので、早く乾きます。
「見違えるようになった」と喜んでくださいました。
仕事冥利に尽きるのはこういうときです。
仕事をさせていただいて、感謝していただける。
だから業者さんの仕事やしないんです。
お客さんの顔が見える範囲で、「ありがとう」の言葉が聞こえる範囲で、小さく自分のペースでやっています。
みづらいですが、剥げていた部分もきれいになりました。
お代をいただき、茅ヶ崎に向かいました。
今度は江の島が見えて、その向こうに三浦半島がくっきり見えました。
街に、梅が咲いていました。