屋根の下の部分を軒天と言いますが、古くなるとはがれてきてしまいます。
大げさな工事をしなくても、そこの部分だけ張り替えることが可能です。
だからもちろん足場も組まないで、はしごで直しちゃいます。
軒天のすきまに鳥の巣が
ここのお宅は、軒天がはがれたその隙間に小鳥が巣を作っていました。
下見に行くと、ぴいぴい鳴いています。
お客さんは、かわいそうだから、巣立つまでまってあげたいとのこと。
僕も大賛成。
やさしいですね。きもちがほのぼのしました。
しばらくして、巣だったとのことで、作業をすることに。
見づらいですが、このように破れています。
登っていって1枚をはがすと、中にわらがいっぱい。
巣のあとがあります。
もう無事巣だったので撤去することに。
よかったね^^
がんばって生きていくんだぞ。
ここのおばあちゃんに感謝するんだぞ、と心の中でつぶやきました。
古いベニヤをはがす
軒天は木のベニヤかボードでできています。
ベニヤの場合がおおいですね。
古いベニヤをきれいにとります。
軒天は破風板に溝がありそこにあててはるので、きれいにはがします。
簡易的なやり方の場合、下からベニヤを貼りつける方法もあります。
軒天を貼る
あらかじめ白のペンキで塗っておいた耐水ベニヤを切り出します。
貼ってから塗るより、あらかじめ塗っておきます。
軒天は、破風板の内側に溝があり、そこにはめ込みます。
これがちょっとしたコツがある。
頭の白い釘で打ち付けます。
新しいので、周囲と少し色が違いますがそれは仕方ない。。。
隅をコーキングでしっかり固定させます。
もちろん白。
見づらいですが、こんな感じ。
小鳥も無事だったし、作業も順調に進みました。
ありがとうございます。
軒天がはがれかかってベロンとなっているのはみっともないですね。
それをそのまま放っておくと、さらにはがれてそこから鳥やコウモリが屋根裏に入ってきてしまいます。
雨漏りの心配はありませんが、台風の時などは吹込みで雨が入り込んでくる場合もあります。
よくリフォーム屋さんなどは全部塗り替えましょうとか足場を組んで全部交換しましょうとなりますが、数枚なら足場など組まないではしごで修理できます。
街角にある愛
鳥も無事だったし、きれになってよかったよかったと、ありがたいありがたいと、おばあちゃんは繰り返してくれました。
このおばあちゃんはいつもそうなのです。
温かい。
苦労しているから、相手の傷みがわかるから、相手を思いやることができる。
そしていつも感謝をして暮らしている。
インドや協会やパワースポットに行かなくても、難しい本を読まなくても、愛は街角にあるんですね。
愛は共鳴し、延長する。
ぽかぽかと温かい気持ちで家路につきました。
コラム 鉢巻き
軒天が破れてしまったとの電話で私はでかけた。
行ってみるとはがれている。
「足場を組まなくちゃできないかねぇ」とおばあちゃん。
「数枚なら梯子で登れますよ」とベニヤを張り替えてペンキを塗ることを説明。
早速作業に。
古いベニヤをきれいにはがし溝に沿って張り替える。
よく晴れていた。
ペンキの準備をしていると「こんなボロ家でごめんね」とおばあちゃん。
しきりと恐縮しているので「そんなこと関係ないですよ」。
豪邸だろうとボロ家だろうと、またどんなお金持ちだろうと借家のおばあちゃんだろうといっさい関係ない。
ただ、ありがとうと言われると俄然やる気がでてくる。
単純な私はよしっとタオルを捻り頭に巻いた。
五月の風が心地よかった。