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木の塀の造作 設置 修理 湘南茅ケ崎

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古くなった木の塀を作り直しました。

 

実は、もう20年来のお客さんのおばあちゃんのお隣りのお宅。

おばあちゃんのところで仕事をしていると、いつも気さくに挨拶してくれていました。

おばあちゃんと縁側でお茶を飲んでいると、「エボシさん、ちょっと相談聞いてちょうだい!」

 

行ってみると木の塀が古くなり、崩れかかっています。

 

 

土台が腐って傾いて締まっています。

これは危ない。

 

 

今はほとんどアルミのフェンスですが、木のぬくもりがいいのよ!」。いいのよ!」

その通りです。

リフォーム屋さんに相談したけれど、やはりフェンスを進められたということでした。

修理では無理なので、作り直すことに。

まあとにかくあかるいお客さんで、作業する私のそばで、ずうっとしゃべり続けていました(笑)。

 

木塀の基礎をつくる

 

まずは基礎から。

コンクリートのこういう部材があります。

これを土に埋め込み、廻りをモルタルで固めます。

20メートルくらいの長さなので、22個、作りました。

腰が痛い。。。

私も手伝うと言ってくれましたが、無理なので、気持ちだけいただきます。。。

基礎で1日かかりました。

 

 

次は木の柱。

基礎に埋まる部分もちゃんと塗装します。

これで腐食がかなり防げます。

見えないところもちゃんとやるのが、職人としてのプライド、といったらかっこよすぎでしょうか。。。

 

 

 

はめ込んで、垂直をみて、モルタルで固めます。

 

 

 

 

これで1日。

 

木の塀の骨組みをつくる

 

縦の柱を建て、固定してから上に一本太めの材料をのせます。

これで丈夫になるんです。

柱の上から雨で腐ってきますから、柱の腐食防止にもなる。

組む前に塗装を済ませました。

 

 

これで1日。

 

 

 

 

人生いろいろ

 

お茶をだしてくれ、いろいろな話を聞かせてもらいました。

まあとにかくにぎやかで(笑)。

それでも人の悪口や愚痴ではないので、とても楽しい。

だけど、ここのお客さんは耳が少し遠くなっています。

 

 

途中から隣りのおばあちゃんも参加してきました。

庶民はいいですね。

地道に、普通に、しあわせに暮らしているのがなんとなくわかります。

濡れ縁から見える部屋。

ちゃぶ台。

テレビ。

お孫さんの写真。

お仏壇には花が手向けられていました。

 

ここで家族が笑ったり泣いたりしてすごしたのでしょう。

ここから巣立ち、たまに孫を連れて帰ってくるのでしょう。

ひとりになって、それでも明るく元気に暮らしている。

 

別に特別なものを食べなくても、旅行に行かなくても、いい服を着なくても、さりげなく過ぎていく毎日を、ふつうに、ちゃんと生きている。

ささやかだけど、確かな暮らしがそこにありました。

明るいこのお客さんも、隣りのおばあちゃんも、荷や苦を抱えながら、それでもしっかり生きている。

煎餅をかじりながらそんなことを感じました。

 

板を張る

 

仕事再開。

横に貼る板を切り出し、先に塗装します。

そうしないと接地面が濡れないからです。

数年は変わらないけど、それ以上の年数がすぎると、傷みが違います。

材料は2by4の材料。

これで1日。

 

 

上塗りして完成

 

貼り合わせました。

もう一度上塗りして、完成です。

 

 

 

 

なんとなく懐かしいような木の塀ができました。

温かみがありますね。

風も通すから涼しいはずです。

 

いつもありがとうございます。。。

 

コラム 耳が遠い!

 

塀を組んでいた。

木で作る。

意外にお洒落でフェンスよりも安い。

腰の曲がったおばあちゃんはいつも作業する私のそばを離れない。

寒いので半纏にモモヒキ、下は長靴、軍手に赤い毛糸の帽子。

その格好がなんだか味があるのだ。

杖で体を支えながらあれやこれやと話しかけてくるのだが、少し耳が遠いので意思がなかなか通じない。

「寒いから入ったほうがいいですよ」

「ご飯は食べたわよ」

「風邪ひきますよ」

「パンは食べないんだよ」

とこんな調子。

それでも私は一生懸命に聞く。

言葉のひとつひとつが優しいからだ。

一度自分の中で暖めた言葉だから、とても温かい。

腰をさすってあげたい衝動を抑えながら私は穴を掘り続けた。

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