物置が古くなって、開かなくなってしまいました。
「エボシさん 助けて」
いつものおばあちゃん。
行ってみると、なるほど開かない。
戸車の交換や調整では直りそうにありません。
屋根もばたばた浮いていました。
で、新しくすることに。
カタログで物置を選び、注文
木で作ることも話しましたが、アルミで安いのがあります。
イナバ物置とかヨドコウとかタクボとかメーカーのものはしっかりしています。
カタログをお持ちして、ご夫婦と一緒に選びました。
ごちゃごちゃ書いてあるからお客さんはわかりません。
サイズ、色、どっち側に開くかなど聞きながら、選びました。
お願いね」と、商品代金だけ先にいただきます。
注文し、1週間くらいで到着。
商品はお客さんのところに届けてもらうようにします。
古い物置の解体・処分
まずは古い物置を解体します。
組み立てた順番の逆に解体していけばいいのですが、さびついちゃっているので、ビスがとれずに苦労します。
叩いたり、こじ開けたり、なんとかかんとか崩していきます。
約半日の作業。
物置の組み立て 設置
こういう風に梱包されて届きます。
今回はタクボ物置。
工程全部を写真には撮りませんでした。
下がコンクリートなので、基礎にブロックを平行を見ながらおきます。
そこに組んでいきます。
自分で材木で作るなら、自分の頭で考え工夫しますが、一式の商品は取扱説明書を見ながら、そのとおりにマニュアル通りに組み立てていかないといけません。
それが結構細かいんです。
ひとつひとつ確認しながら作業しました。
土台と骨組み、屋根ができあがりました。
ここで一服。
ここのご夫婦は、いつも仲よし。
「梅ジュースつくったの」
自作の梅ジュースをいただき、「持って帰りなさい」とペットボトルに入れてくれました。
温かい。。。
作業再開。
壁を組み、ドアを入れて調整します。
中に棚を設置するとき、右にするか左にするかでご夫婦で一悶着(笑)。
「奥のほうがじゃまにならなくていいじゃねえか」
「手前にあった方がとりやすいのよ」
ヒートアップしてきて、本格的にバトルになりそうなところで、おばあちゃんが譲りました。
「お父さんのいいようでいいわ」
そうすると旦那さんが、「おまえの好きな方でかまわねえ」。。。
今度はおたがい譲り合い、すったもんだしました。
私はおかしくておかしくて、それからなんだか懐かしいような、温かいような、ほのぼのとした気持ちになりました。
人と人です。
磁石のように、くっついたり離れたり。
けんかしては、仲直りして。
そうやって寄り添ってきたのでしょう。
今はふたりだけになって、暮らしの静もりを楽しみながら暮らしている。
昭和の感じというか、なんかいいな、と思いました。
結局、中道をとって、バランスよく棚を配置することに。。。
そして完成^^。
思いやり
私は離婚しているのでひとりです。
最初の頃にお仕事させていただいたときは結婚していました。
なので、おばあちゃんはなにかと心配してくれます。
ご飯はどうしているんだ。。。
さみしくないのか。。。
洗濯持ってきなさい。。。
お酒ばっかり飲んでたらだめよ。。。
相手を考える。
思いやる。
日本人なんですね。
私がこの仕事でいちばん勉強させてもらったのはここです。
特にご年配のお客さん。
自分さえよければと言う人が確かに増えたのかもしれません。
人情が薄くなったようにも感じます。
だけど、私たちが受け継いでいかなければいけないいちばんたいせつなことは、ここじゃないかと思います。
言葉で簡単に、愛と言えるし書けるけど、ほんとうはいただき、返し、共鳴し、延長していくのだと感じます。
帰るとき、「体に気をつけるんだよ」と肩を叩いてくれました。
私の車が角を曲がるまで、手をふってくれていました。
バックミラーに写るその姿を、忘れてはいけないと思いました。