廊下がぶかぶかするということでした。
以前にも頼んでくれたお客さん。
ご年配のご夫婦です。
「遠くからきてもらって申し訳ないんだけど、あんたにやってもらいたいんだよ。。。」
単純な私はこういう言葉に弱い。
東京での仕事もあったので、その帰りに下見に寄りました。
カーペットの廊下がぶかぶかしている
行ってみると、カーペットが一部剥がれかけていました。
そして何カ所か、ぶかぶかする。
上がり框のところと、階段の一歩目のところ、それから部屋に入る手前のところ。
だいたい、よく歩く場所から傷みます、当然ですけど。
ドアの手前の四角いここは、私が以前修理した跡です。
そのときは、ここだけが浮いてしまっていたので、カーペットを切り取り、そこの下地を交換しました。
フローリングの上張りを提案
全部剥がして、貼りなおすと大変です。
築年数も古い。
それに、ご年配のご夫婦です。
カーペットを剥がして上からフローリングを貼ることを提案しました。
その方が安価だし、工期も短い。
「あんたに任せるから。な、ばあさん。。。」
「私たちはわかんないから、いいようにやって。怪我しないようにね」
こういう言葉、私は大好きです。
たまに、こっちの気持ちがざらざらするような、方もいます。
ちゃんとやっているのに、クレームばかりの人もごくたまに。
相手を考える、思いやる。
だから言葉が温かい。
お互い様で気持ちよくお仕事させていただき、人と人として向き合い、少しでも役にたつのであれば、私のしていることにも価値と意味がでるのではと思います。
で、見積もりをして、別の日作業することに。
カーペットを剥がす
カーペットをまず剥がします。
昔のタイプなので、下に断熱材が敷いてありました。
パッチ工法といって、隅を固定して引っ張っているんです。
それも外す。
下地の調整
カーペットを剥がすとこんな感じ。
こちらは最初はフローリングで、後からカーペットを貼っています。
普通はカーペットの下地はコンパネという厚いベニヤです。
こうやって浮いちゃっているところを抑え、コーキングで補修します。
足であっちこっちを踏んで、板と根太が浮いているなら、そこをビス留めしたり、隙間を埋めたり、下地をまず調整します。
これをしっかりやれば、後は上からフローリングを貼れば20年とか大丈夫です。
もし、根太が傷んでいるなら、根太を直さないといけないですけれど。
フローリングの上貼り
夢中で作業したため、ほぼ完成の写真しか撮れませんでした。
廊下なので、リーズナブルな一般的なフローリングです。
在来工法の住まいは、根太がしっかり作られていますから、丈夫ですね。
仕事をしていていつも思いますが、築30年以上の住まいは、東北などからの出稼ぎの大工さんが作っている場合が多いんです。
ほんとうにきちんとしているし、しっかりしている。
さすがだなあといつも感じます。
ともかく完成。
上がり框のところは、スロープの部材を使っています。
年輪
仕事をしている途中で、買い物に行ってくると、ふたりででかけました。
道具を取りに行くときに、後ろ姿が見えて、泣いちゃいました。
すてきな写真です。
言葉より、多くを伝えている。
ぶかぶかした廊下は、家族が暮らしてきた証しですね。
でかけて、帰ってきて。
家族で笑ったり泣いたりして。
きっと、いろんなことがあって。
いつまでも元気で仲良くいてほしいと強く思いました。
きっと、ずっと、大丈夫。。。
いつもありがとうございます。