外塀の塗装で平塚でのお仕事でした。
塀は木塀以外の多くはブロック塀にお化粧している場合が多いです。
塗装がはげて防水が効かなくなると、痛みが早くなるので塗ると長持ちします。
それからきれいになりますし。。。
まずは下地調整
「小さな仕事で申し訳ないわねえ」とおばあちゃん。
同居している息子さん夫婦が、工務店やらリフォーム屋さんを探したけれど、全部やり直さなくちゃいけないと言われたり、半端仕事なので嫌がられたとのことでした。
「遠くから悪いねえ」
「近いから大丈夫ですよ^^」
早速作業に。
汚れが目立つ場合はブラシで水洗いします。
乾いてからペンキが飛び散らないように養生。
それからケレンといって塗装の浮いたところやざらざらをこそげ落としていきます。
この作業を丁寧にやるのが大切です。
板前さんが仕込みが大切なのといっしょですね^^。
こんな感じでブロックの溝が浮いて見えていました。
お茶をだしてくれたので一服。
下塗りと上塗り2回
まずはシーラーという下塗りをします。
防水性と接着剤のような役割があります。
シーラーというのは透明なので、塗り残しがないようにじっくり塗っていきます。
そんなに広くない面積なら1日、ある程度広いときは2日かかります。
今の塗装は割とすぐに乾くから、お昼を済ませて上塗りを始めました。
塗料はウレタンという防水性が高いものを使います。
乾かして二度目。
きれいになりました。
はじめての満点
塗装のお仕事は、乾かすまでの隙間時間があります。
そのときにステキな話を聞かせてもらいました。
少し前、入院していたそうです。
そのとき2人部屋で90代のおばあちゃんといっしょだったとのこと。
その人はお医者さんとも看護師さんともほとんど口をきかず、ただ頷いたりするだけだったそうです。
気難しいというか、頑固というか、そんな感じに見られていたのでしょう。
たまに大きな声をだしたり。。。
ここのお客さんは、タオルを洗ってあげたり、さりげなく声をかけたりしているうちに、少しずつ話をするようになったそうです。
名前を忘れないようにと、メモをしたり、お見舞いのお菓子をお裾分けしたり。
苦しそうにしていると背中をさすってあげたり。。。
薬を嫌がり看護師さんも手を焼いていたのに、ここのおばあちゃんの言葉は素直に聞いてくれて、病院側も感謝していたとのことでした。
退院するとき、おばあちゃんは前の晩から泣いていたそうです。
病院側は、入院の部屋代を無料にしてくれたとのことでした。
人というのは温かいものです。
そういう話に弱いので、鼻水をじゅるじゅるさせながら聞きました。
愛は共鳴し、分かち合われ、増大し、延長してゆく。
そして一生懸命塗ったから顔中ペンキだらけになりました。
それをみていたおばあちゃん、「あんたは満点だ」
その日、私は、生まれてはじめて満点をとりました。